悪童日記を読み終わって
面白かった。
冷徹にこなしていくぼくらの行為が恐ろしくもあったが、惹かれるものがあった。
日記というだけだけあって、物語は淡々と進んでいく。ぼくらには常識があるわけでもなく、生き抜くことだけを軸にしている。事実を事実として受け入れ、必要なものだけをする。必要なら脅しもするし、盗みもするし、人殺しもする。ただしそれが万人に受けられるものかと言われたら、いささか首を傾げる。
人間の源泉など、人間の内なるものを見た人にはおすすめの作品だと考える。
元々この本を読むきっかけになったのは、同人エロゲ*1がこの作品の台詞などを引用しているのがきっかけである。ワンフレーズの『髪に受けた愛撫だけは、捨てることができない』がとても印象に残った。この時は調べるつもりはなく、ただゲームをしただけで終わりになった。後日給付金を貰って本を買うことになった時に、悪童日記の感想*2を流し見で見ていたところに、先ほどのフレーズがあったのをきっかけに、購入したのが始まりだった。
本を読んでみて分かったのだが、『髪に受けた愛撫だけは、捨てることができない』はもっと意味のある言葉だと推測していたが、そうではなくただ単純に捨てれないことを事もなげな様子で言っているようだった。私は少し残念がった。
それではまた逢う日まで。