無限の猿定理

日記っぽいなにか

ATRI ~My Dear Moments~ をやり終えて

いやもう最高でした……

素晴らしいですよ。

背景も立ち絵もSDキャラもシナリオもBGMも演出も全て全てにおいて完璧な黄金比を作り出していて、これ以上文句の言いようがないくらいに素晴らしい作品だと感じられた。

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PV発表から出ていたやつ 語彙が吹っ飛ぶくらいに美しい一枚絵

最初は人を冷徹に扱っていた主人公がアトリによって、その心が解凍されていき、竜司を始め、様々な人と仲良くするシーンは見ていてほっこりしました。途中で悩んだりするところは、彼もまた人ということが伝わってきて良い。

後は終始アトリが可愛いということですね。アトリは小柄な体躯をしており、それに加算するかのように、可愛さが漫勉なくでています。あの天真爛漫な笑顔を見せられて、頬が緩まない人間はいないと考えています。アトリ可愛い。夏生くんが惚れてもしょうがない。俺でもなる。

終わり方も最高、あの希望を残せる形で終結というのはハッピーエンド主義者の私も納得のいく終わり方です。冷静に考えればそんなことはないだろうと思いますが、希望が残されているということは0%ではないのです。1%でも希望があるのなら人間はそれを心に秘めて走ることができるものです。

 

今作品の大まかなテーマはロボットに人のこころは持てるかという昔から議論されているテーマだと考えています。この手のテーマは哲学でもよく聞きます。思考実験*1などの多さから見るだけでも人間はそれに対して途轍もない程に思考を重ねているのが分かります。中国語の部屋*2や哲学ゾンビ*3やメアリーの部屋*4クオリア*5や中国脳*6など、少し離れますがスワンプマン*7などが意識やこころに関する思考実験かと。個人的解釈としては人間に意識はないものかと。明確にこころという臓器はありません。あるのは心臓に脳みそだけです。人間は考えたり、行動することができます。泣いたり笑ったりなどができます。科学的に見るとその活動には、電気信号が流れているだけになります。だからそこに意識があるわけないし、人間にもこころがあると思わないのです。今後の研究次第で、こころというものが発見される可能性もあります。ですが現時点では機械や他者から意識を確認する手段がないので、こころはないと考えています。だから人間もロボットも同じ意識がないもの。どうやっても相手の本心など分かるわけありません。スカした顔でエロいことを熟考しても他者には分かりません。だから信じる必要があります。そうやって信じることができるから、友達や親友や恋人などができるのかと思います。人間もロボットも等しい存在、恋人になっても何も可笑しいことはありませんイエーイ。早く強いAI*8が出てくれることを祈る。技術的特異点*9が楽しみ。

現実でもアトリのようなロボットが出てきたとき、ロボット工学三原則*10を破った時が意思の表れだと。人間以外に意思があるのは怖いと思う方もいますでしょうが、動物を始め魚などにも意思があるので、別に怖いことはありません。フレンドリーに接すればいいんですよ。反逆される時はこちら側に非があるはずなので、大人しく謝りましょう。やられた場合は自然淘汰によって消えることになりますが……

 

※追記

最高! トゥルーエンド最高!

快楽機械*11の答えはここにある! 快楽機械の答えはイエスだああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!

 

それではまた逢う日まで

 

サントラが予約開始していたので、買おう。

ATRI -My Dear Moments- Original Soundtrack | ANIPLEX+

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*1:頭の中で想像するだけの実験

*2:哲学者のジョン・サールが、1980年に “Minds, Brains, and Programs” という論文の中で発表した思考実験

*3:哲学者のデイヴィッド・チャーマーズが1990年代にクオリアの説明に用いた思考実験

*4:フランク・ジャクソンが「随伴現象的クオリア」"Epiphenomenal Qualia" 、さらに「メアリーが知らなかったこと」"What Mary Didn't Know" という論文の中で提示した、哲学的思考実験

*5:心的生活のうち、内観によって知られうる現象的側面のこと、とりわけそれを構成する個々の質、感覚のこと

*6:哲学の一分野である心の哲学の領域で議論される思考実験のひとつ

*7:1987年にアメリカの哲学者ドナルド・デイヴィッドソンが考案した思考実験

*8:人間と同じように考える力があるAI

*9:AIなどの技術が、人間より賢い知能を生み出す事が可能になる地点

*10:「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を目的とする3つの原則から成る

*11:永遠に最高度の快楽を与えられ続ける機械が発明されたなら、快楽主義者は死ぬまで快楽機械を使い続けるのか、という批判